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電通の過労自殺事件と似通った業界構造がIT業界にも存在します

ぼくはITやデジタルと呼ばれるテーマの世界でコンサルタントを生業にしていますが、電通過労自殺事件を見て、他人事には思えませんでした。

なぜならば、いわゆるIT業界にも似たようなメンタリティや構造を見ることができるからです。

木村岳史の極言暴論! - ITベンダーの皆さん、それは「奴隷の満足感」「奴隷の成功体験」です:ITpro

こちら、日本のIT業界の悪習をぶった切る木村岳士さんの人気コラムです。

IT業界においても

  • 発注するIT部門の能力不足
  • それをカバーする精神論を誇るベンダー
  • それに巻き込まれるN次下請け

なんていう構造が存在します。多重下請け構造と呼ぶこともありますが、これがまたいろいろとエグいから早いところ脱却しなさい。

そのため、発注側はちゃんと学べ、ベンダーや下請けは契約ベースでの交渉する胆力を身につけろ、というのが彼の弁。


これ、電通過労自殺が起こってしまった構造と相似形なんですよね。

  • 発注側=広告出す側企業
  • ベンダー=代理店
  • 下請け=プロダクション

ってことですから。


ぼくはコンサルという、発注側とベンダーの二足のわらじをはく立場です。そのため、両者の立場はそれなりに理解しているつもり。

低予算なのに超難しいシステムを作れ、と発注側が無茶振りしてしまって採算が取れていない炎上プロジェクトも経験しました。

一方、発注側の立場としてクライアントの担当者に「この予算ならこの範囲じゃないと無理です」と教育じみたことをすることも多々。


なんというか、電通過労自殺問題の一端を解消するには

発注する側がちゃんと細かいことをわかっていること

受注側が発注側を教育するという観点で契約交渉にあたること

が少なくとも必要である気がします。

もちろん、人という側面(ハラスメントしないさせないとか、精神論に走った無駄な仕事をしないさせないとか)が大部分であると思います。

ただやはり、その前提として、発注/受注側が契約をベースにフラットに交渉できる素地が必要だと思うんですが。

(約900文字)