勇気と実現力は成功の必要条件だが十分条件ではない
今回もビジネスプランナーの田中栄さんの記事を取りあげます。
新しいビジネスに必要なのは「勇気」と「実現力」 - 日経テクノロジーオンライン
大事なのは挑戦する「勇気」、そして実際にやってみる「実現力」。
こう信じて疑わないという田中さん。たしかにやってみないとわからないことはたくあんありますし、やっている中で「仲間」を見つけて前に進めることも少なくはありません。
とはいえ、「勇気」と「実現力」さえあれば成功するかと言われるとそうでもない。ここだけ切り取ってしまうと非常に危険です。
というのも、この記事の中で紹介されているテラモーターズ社は
電動バイクは今後のビッグビジネスになる
という市場の見通しを持っていた。戦う場所を見定める「戦略」を持っていたのです。単に「勇気」と「実現力」で突き進んだわけではありません。
ビジネスには、マーケットインの考え方をすべきときと、プロダクトアウトで考えるべきときがあります。
新規事業の立ち上げはマーケットインが強く求められる場面です。そこさえしっかりしており、未来が描けるのであれば、冒頭の記事のように「勇気」と「実現力」の両輪で突き進んでもリスクは小さくできるでしょう。
ソフトバクの孫正義さんは、ソフトバンクを率いることになった際、営業活動やビジネス展開のオペレーションに着手するより先にひたすら書斎にこもって戦略書を読みふけったそうです。
結果はご覧のとおり。J-PHONEやVodafone時代に比べ、ソフトバンクは飛躍的に成長しました。(やり口に是非はあるとは思いますが・・・)
ビジネスの成功においては、競合に勝つ(戦)ための道筋(略)の良し悪しがモノを言うのです。
もちろん、戦わずに勝てる道があればそれが一番なんですけれども。(孫子の兵法より)
(約850文字)